ガット研究の動向と問題点 8

完全自由化論は、どのような国々のどのような経済的利害にもとづくものであり、またどれだけの客観的な可能性をもちうるのでしょうか。


第四に、以上の点はガット体制の歴史的展開と70年代以降におけるいわゆるガットの空洞化傾向をふまえた場合、とくに重要とならざるをえません。


周知のように第二次大戦後の世界貿易は60年代の安定成長期を経た後、70年代にははげしい構造変化の時代を迎えています。


国際収支の不均衡の拡大、変動相場制への移行による為替レートの不安定、累積債務問題に象徴される南北問題の激化、EC・米加自由貿易協定などにみられる地域主義の台頭など、従来の国際経済秩序を根底から揺がすような現象が次々に生起するにいたっているのです。


いまやガットの標榜する無差別・多角的な自由貿易に代って、差別的・双務的な管理貿易が世界を支配しようとしているのであり、その点ではガットにとっては冬の時代が訪れようとしているのです。


そうしたなかで現在進行しているウルグアイ・ラウンドは一体どのような意義をもち、世界貿易をどのように方向づけようとしているのでしょうか。

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